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【モンテッソーリ小学校】クラス替え発表から読み解くオランダ教育

クラス替えの発表の日、ワクワクしましたか?

それとも、新しい環境に戸惑うタイプでしたか?

私の記憶の中では、クラス替えはいつもドキドキワクワク。

担任の先生が変わるのを寂しく思いつつも、この1年に1度の小規模イベントを楽しみにしていたタイプです。

そんな「クラス替え」という小規模イベントが今日「中ちび」に起こりました。

このクラス替えによって、2年間同じだった担任の先生や学校側が子供たちをよく見ててくれているんだな、と思ったので、そのことについて書きたいと思います。

新クラスは2023年9月から

今日発表された新クラスは、2023年9月からの新学年度に適用されるものです。

9月から新しいクラスメートと先生と違和感のないスタートが切れるように、前年度の間に顔合わせなどを済ませておくわけです。

小学校版「慣らし保育」みたいな感じで、2日間用意されています。

9月に別の学校から転校してくる予定の子供達も、この日は現在の学校を休んで、新学校へ登校し、慣れるようにします。

万が一、新クラスに問題を感じる子は、この慣らし後に変更も検討し得るとの柔軟な姿勢でした。

2学年編成?3学年編成?

このクラス替えはいつもとちょっと違う波乱を含んでいました。

なぜなら、教師不足により、これまで2学年編成だったクラスを、これから2年かけて3学年編成に移行することになっているからです。

ここでいう2学年編成を日本で表現してみると・・・

2学年編成とは・・・

小学校1、2年生のミックスを1クラスに。

小学校3、4年生のミックスを1クラスに。

小学校5、6年生のミックスを1クラスに。

一方、3学年編成とはこちら。

3学年編成とは・・・

小学校1、2、3年生のミックスを1クラスに。

小学校4、5、6年生のミックスを1クラスに。

3学年編成のクラス編成というのは、イエナプラン教育でご存じの方もいると思います。

一番興味深いのは、中チビの学年は、この移行によって、2学年編成のクラスになる子供と、3学年編成のクラスになる子供とが発生することなのです。

つまり、2学年編成から3学年編成の移行期として、両方が混在する1年間となる予定なのです。

子供も親もクラス編成に口出しできる

これまた興味深いことに、1ヶ月ほど前に、子供たちには希望を紙に書いてもらったそうです。

自分の1つ上の学年の仲良い子、自分と同じ学年の仲良い子、自分の下の学年の仲良い子。

それぞれ3人ずつの名前をみんな記入して提出したそう。

親から先生に、クラス替えの希望を出すことも問題なくできます。

私たちはしませんでした。

ひとまず、オランダ教育に足を突っ込んでいる身ので、そのスタンスに乗っかりますよ、というのが今のところの私たちです。

学校や先生との信頼度

言葉の壁のせいで、私たち「日本人親」と「学校や先生」とは少し距離があるように感じています。

年に2回ある保護者面談は必ず子供も一緒なので、オランダ語で話をしてもらうようにしています。

私も極力オランダ語で頑張っているので、言葉が足りない部分がどうしても出てきてしまいます。

しかも、周りを眺めて、うちの子を見ると、どうも日本人の良さがあふれた(笑)協調性がある子のようで、特別な問題が提起されることもありません。

オランダ人の子供達ほど自分の意見を声高に話す子でもありません。

そのため、保護者面談以外に話す機会は特にないまま、今に至っていました。

一方、オランダ人の保護者たちは、先生と友人のように話したり手助けしたりする姿がよく見られます。

「先生はうちの子のこと、どのくらい見てくれているのだろうか?理解してもらえているのだろうか?」

というのは、確信が持てずにいました。

保護者面談で聞く限り、クラスのいい子ちゃんだから、表向きのことしか目が届いていないのではないかと。

それに、どうしても日本人のような細やかな気遣いには欠けているのが、オランダ人らしい率直性なのです。

親から見た子供

親の私たちの希望としては、2学年編成のクラスに入ることでした。

なぜかというと、中チビはすでに担任も同じ、クラスの半数も同じ、というメンバーで2年過ごしているからです。

それが、3学年編成のクラスになると、2学年下の子が追加されることになります。

これは、言い換えると、自分がクラスの中で年長である事実が2年間続くことにもなるのです。

これを私たちはあまり良いこととは思っていませんでした。

特に、今のクラスで仲の良い子は年下の子たちなので、いつも中チビが仕切り役に。

知能的にも、クラスの中で一番で、軽くお山の大将になっていきそうに思えました。

一方で、2学年編成のクラスに入れば、年上のクラスメートを持つことになるので、大将のお山は崩され、知能や精神的発育にもいいだろうと思ったのです。

クラス替えの結果は・・・

中チビの希望がそのまま通れば、もしくは、先生たちが仲の良い子供達を単純に集めてクラス編成をすれば・・・

彼は3学年編成クラスになるだろうと自然に簡単に予想できました。

なぜなら、今一番遊んでいる友達は、うちの中チビ以外に友達がいない・・・。

そのお友達は対人関係にちょっとしたトラブルを抱える子で、中チビと同じクラスにならなければ、友達ができないかもしれない。

中チビなしでうまくやっていけるのだろうかという懸念をその子の親も同様に持っているようでした。

クラス替え発表の日の朝、「やっぱり先生に”親としては2学年編成を希望します"ってひと言伝えておけばよかったかな〜」と強く思ったんです。

それくらい、3学年編成クラスになるのが当然のように感じられました。

ところが!

私たちの予想と期待をいい意味で裏切ってくれました。

2学年編成クラスに入れられたのです。

しかも、いいメンツで、中ちびの成長に良さそうなバランス。

これに私は大喜び!

よかった!これで不毛な1年を過ごさずに済む!

意外と見てくれていた先生

オランダ教育に憧れて移住した私たちですが、外から取り上げられるオランダ教育と、住んで肌で感じるものには大きな差があることを感じています。

この7年で、オランダ教育への憧れは消え去り、この自由な教育の場をどう味方につけようかと考える方向にシフトしています。

やはり、天国のような教育環境はないのです。

そんなものがあれば、オランダ教育で育ったハッピーな大人が世界に革新的な影響をあちこちで与えているでしょう。

そうならない、ということには、何事にも、裏と表があるわけなんですよね。

あう、あわない、もある。(これがすっごくある)

この7年で経験したことで、先生や学校への期待も正直ありませんでした。

「あみだくじ的なので決めるんじゃない?生徒の希望から足し引きするだけなんじゃない?」

しかし、今は、ごめんなさい言えます、もう感服しました。

担任の先生、もしくは他の先生、ちゃんと中チビのことも他の生徒のことも見ててくれたやん!って。

担任の先生は、自分の二人の子供たちも同じ学校に在籍させているくらいなので、モンテッソーリ教育が好きなんですね。

今回のことでしっかり分かりました。

中チビの発育を促すのによい決断をしてもらえて本当に感謝です。

先ほどメンションしたお友達は、3学年編成で、かつ、まだ仲のいい生徒がいないクラスに配置されました。それも多分、意図があってのことなんだろうな、と思います。(思いたい)

本当に人それぞれ、オランダ教育

いろいろな話を見聞きしていると、オランダ教育は本当にさまざまです。

移住を希望している方、最近移住してきた方からの相談をお受けしても、やはり黒か白かではお答えしにくいです。

子供と先生、学校、親と先生、学校、そして、同級生との相性など、さまざまな一期一会が影響しあっています。

そのため、どの学校が自分の子供にベストか、という判断を日本にいながら下すのはさらに難しいです。

無論、ホームページに書いてあることだけでは判断できません!!

優先したいことを明確にして、ここならば希望の7〜8割は叶うのではないか、と予想できるのであれば、まずは行かせてみる。

小学校でも中高等教育でも、転校編入は当然のこととして行われているので、もし行かせた学校が合わないと思ったら、無理させずに柔軟に転校させるようなフットワークの軽い体勢でいる。

その方が、親にも子供にも負担が少なく、より良い環境を求めてチャンスを得ることができます。

「いやいや、新しい環境にあちこち送り込むのはかわいそう」

という方よりは、

「かわいい子には旅をさせろ」

とか、

「あちこちに知り合いや友達ができていいね」

と思える家族の方が、間違いなくオランダでの学校生活を楽しめます。

現に、うちの中チビは現在2校目なのですが、1校目のお友達やご家族に未だによくしてもらっています。

この辺りを牛耳っている大きな家族の子とお友達になったので、ティーンエージャーになっても、この辺りじゃいじめられないだろうな、と勝手に安心してます(笑)。

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