オランダ生活 海外移住

【あなたが知らない】日本と違うオランダの小学校のリアル13個

2023-06-26

オランダの小学校の基本情報と、私が経験してきたリアルを集めました。

ご紹介するのは、私、ちびいきです。

  • 在蘭8年目
  • 子供がオランダの公立小学校とモンテッソーリ小学校へ
  • ダッチインターで就労経験あり
  • たまにブリティッシュスクールにも出入り

オランダの教育は、100校あれば100通り存在する

と言われるほどなので、この記事の情報がすべてではないことは予めご承知おきくださいね。

【オランダの小学校】基本情報

まずは、オランダの小学校の基本情報です。

基本情報

  • 入学は4歳の誕生日から
  • 飛び級は当たり前
  • 留年もあり得る
  • 教科書はない(ワークブックがあるが持ち帰らない)
  • 宿題はない
  • 黒板はすべて電子黒板
  • 10時はフルーツを食べる時間(fruit eten)
  • 挙手は人差し指を立てる(ヒトラーを彷彿させないため)
  • 12歳でCITO(シト)を受けて進路の大枠が決まる
  • 学区制ではなく希望制(優先郵便番号があったりします)

海外移住する日本人にとって一番インパクトが大きいのは、

12歳でCITOを受けて進路の大枠が決まる

という部分です。

日本の進級システムとは大きく違う上、オランダ語を母語としない私たち移民には高いハードルとなります。

【オランダの小学校】リアル13個

海外移住, 海外生活, 準備, 完全リスト, やり残し, 悔いなし, 後悔なし, 失敗なし, 海外生活, ヨーロッパ, 自分らしく生きる, 自分のために生きる, 教育, 家族, 子供, 英語, 英会話, 勉強, 語学, 英語力 english, メリット

ここからは、オランダの小学校のリアルを13個ご紹介します。

思い出したら、また追加しますね。

1. ランチタイムにお金が必要?親がボランティア?帰宅?

ランチタイム、つまりお昼ご飯の時間が12時から13時というのが一般的です。

そこは日本と変わりありません。

しかし、日本では、もちろん学校で先生と給食を食べたり遊ぶのが当然ですが、オランダでは、お昼のご飯時間は、先生も休憩の時間になるのです。

つまり、子供を監督する人がいなくなる、ということ。

これに対して、学校により以下のような措置が講じられています。

  • 12時にお迎えし、お昼を食べたら13時までに帰校する。
  • 有料で外部に監督を委託する(保護者が支払う)
  • 保護者によりボランティアや当番制で子供を監督する

学校のホームページに、「Overblijven」という項目があります。

そのページには、このお昼休憩のことについて学校の措置が書かれているはずですので、要チェックです。

このお昼休みの措置次第で、学校側は下校時刻を14時にしたり15時にしたりと変更します。

2. ランチタイムはYouTubeを見ながら

お昼休憩を学校で取る場合、子供たちは談笑を楽しみながら食事している。

のかと思いきや、コロナ前からYoutubeやテレビ番組などを見て食事をしています。

ダッチインターでも、Youtubeでマインクラフトの実況を見ながら食事をしています。

最初はとても驚きました。

3. シラミ検査が頻繁

シラミの根絶が難しく、オランダの小学校ではシラミ検査が頻繁に行われます。

シラミ検査には、私の経験では保護者がボランティアで行います。

先生「頭を掻いている子供が多いので、明日の朝シラミ検査をしたいと思います。誰か来れる人いませんか?」

などと召集がかかります。

私もシラミ検査当番をしたことがあるのですが、細くて金髪でカーリーの子供達の髪の毛をチェックするのはとても大変です。

4. 教師不足で休校になることも

オランダでは教師不足が深刻化しています。

そのため、代理の教師がたてられないと、休校を余儀なくされるクラスも出てきます。

これは今に始まった事ではなく、オランダ政府も対策を講じています。

例えば・・・

  • オランダ語を母語としない教師の育成
  • 給与水準を上げる

オランダ語を母語とせず、モンテッソーリ小学校で教師をしている友人がいます。

小学校3年生くらいを担当しています。

彼女はとても勉強熱心で一定のオランダ語を話すことはできます。

しかし、小学校に勤務することはできても、オランダの教師のライセンスを取ることは非常に難しいそうで、何度も失敗しています。

12歳で受けるCITO(シト)テストを考えると、高いオランダ語力が必要なので、教師もオランダ人である方が子供の学力にとっては望ましいでしょう。

それと同時に、オランダの小学校では、高学年を担当するほど高い給与をもらうことができます。

また、オランダの学校勤めでは会社勤めほど昇給や昇格が見込めないため、特に男性は教育界から離れているとも言われます。

確かに、男性の教師はあまり見かけません。

5. お休みがたくさん

オランダの小学校は、お休みがたくさんあります。

秋休み(Herfstvakantie)10月の9日間
冬休み(Kerstvakantie)12〜1月にまたがる16日間
春休み(Krokkusvakantie)2月末の9日間
5月休み(Meivakantie)4〜5月にまたがる16日間
スタディーデー(Studiedag)年5日を学校が定める
4、5月キリスト教関連の祝日が4日
(いずれも土日にくっつく)
夏休み(Zomervakantie)7月〜8月の44日間
ちびいき まとめ

この他にも、長いお休みの前日は、12時で学校が終わることが多いです。

これが、オランダの子供が幸福度1位だと言われる所以では?!

オランダ人のホリデー(有給休暇)は25日ほど付与されるのが一般的です。

そのため子供のお休みにはは大人もお休みをとって、お出かけしています。

もちろん毎年有給を使い切ります!

6. 体育の授業は校外施設へ

オランダの小学校は、公共施設や並びあう大学などが持つ体育館やサッカーフィールドと利用契約を結んでいることが多いです。

それによって、メンテナンス費用などが不要になりますが、子供たちは雨風のときにも体育館まで移動しなくてはいけません。

市から補助金を受け取っているような「移民を受け入れる小学校」の場合、体育館をかまえている場合が多いように思います。

そうでなければ、運営が難しいということですね。

しかし、公共施設側としては、利用料が入るので、Win-Winの関係になれるというわけです。

7. 音楽室、美術室、理科室は当たり前じゃない

上記の「体育の授業は校外施設へ」と同じく、音楽室、美術室、理科室などの特別な教室は一般的ではありません。

ブリティッシュスクールなどの大きな予算がある学校は、立派なものを備えています。

そのため、日本で理科の授業などで行う実験などは、さほど学校内で学ぶことのできる環境が整っていません。

音楽、美術、理科などを補う方法は以下の4つ。

  • たまに音楽学校の大学生などが楽器を持って授業をやってくれる(おそらく教育実習的な)
  • 学校外で親がそういった機会を与える(習い事やワークショップ参加など)
  • 学校の社会見学のようなもので、ミュージアムに出かける
  • 親がボランティアでレッスンをすることも

「子供に画一的な授業を与えない」ということは、つまり、子や親が「学ぶものを選択する自由を与えられている」ということになるのです。

8. 小さな図書室

学校の片隅に、居心地の良さそうに作られる小さな図書室。

ソファやクッションが置かれたてくつろげる空間になっていたり、外からの光が入る明るい場所に整備されていることが多いのは、オランダならではだと思います。

公共の図書館を利用して本を借りる人が多く、私が知っている限りでは、学校の本を自宅に持ち帰るような「貸し出し制度」は一般的にはないかもしれません。

9. 健全な学校運営には親のボランティアが必須

この記事で繰り返しお伝えしているように、学校のリソースは教師も設備も限られています。

そのため、親の力ぞえがかなり必要です。

  • 運動会(スポーツデー)の運営
  • スクールキャンプの引率
  • 遠足や社会見学の引率
  • 夏祭りの運営
  • シンタクラースやクリスマスのイベント
  • イースター朝食の準備
  • テクニックウィーク(理科を集中して学ぶとき)
  • 子供の音読をみて直してあげる(オランダ語)
  • シラミ検査

などなど、学校によって、さまざまなアクティビティや学校行事があり、当番制だったり、挙手制だったりします。

オランダ語が必須のボランティアはヘルプできないので、そうでないものをお手伝いするようにしています。

10. モンテッソーリやシュタイナー教育は12時でお迎え

モンテッソーリ教育やシュタイナー教育は、6歳までの子供、つまり乳幼児後期までは親と多くの時間を過ごす必要性を提唱しています。

そのため、6歳のグループ(だいたいグループ2まで)は、水曜と金曜は学校を12時までとしています。

*例外の学校もオランダ内にあるかもしれませんので、あしからず

11. 放課後はアフスプラーク祭り

オランダの小学生の放課後の過ごし方は、「Afspraak」(アフスプラーク)に決まりです。

英語で「Appointment」に相当します。

オランダでは小学生からアポの取り方を学んでいて、社会人になってからも、

Afspraak is afspraak.(約束は絶対だ。)

というくらい、アポに従って動くのを好みます。

オランダの小学生は、友達とどちらかの家で遊ぶのが大好きなので、小学生のお子さんをお持ちであれば最初に覚えるキーワードになります。

もしくは、学校では補えない、スポーツ、音楽、美術などのクラブ活動を学校外で習います。

そのため、小学生の子供も忙しいけれど、親もあちこちへの送迎でとても忙しいです。

日本の学童にあたる、「BSO」もあります。

12. 職員室ってなんだっけ

日本の職員室といえば、先生たちの砦。

足を踏み入れるのも勇気のいる空間、という感じもしますよね。

しかし、オランダでは、いわゆる「職員室」に先生が個々の机を持っていることがありません。

先生の机は各々の担当する教室にあるのが一般的です。

先生たちは、カフェテリアのようなスペースでお茶を飲んだりしながら談笑したり、ミーティングしたりします。

13. オランダの小学校は無料、ではない

「オランダの小学校は無料」とよく謳われている気がします。

当の私も、オランダの小学校は無料だと思って移住してきました。

そのため、最初の小学校でお金を請求された時には、詐欺かと疑いました。

教科書がないため、教材に払うお金は必要ありません。

しかし、学校で行うイベントや運営に、保護者からの学費は欠かせないと思います。

我が家の経験上、公立の小学校は、市からの補助金を受け取っていたため、わずかな金額でした。

モンテッソーリ小学校は、世帯年収によって、支払う「寄付金」(と呼ばれている)が決まっていて、子供の人数に応じて支払います。

最も多い寄付金は、子供ひとりあたり500ユーロほどで、現在のレートで78,000円を支払います。

これらの寄付金が、子供たちへの大切な教育投資となっています。

オランダの小学校のリアル13個、のまとめ

私の経験してきた日本との学校の違いを、「オランダの小学校のリアル」としてまとめてきました。

これからオランダへの移住を考えている方は、ぜひ参考に。

Education illustrations by Storyset

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

-オランダ生活, 海外移住