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【2023年更新】オランダ移住7年の私が感じるデメリット4つ

2021-09-13

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オランダ移住に興味があるけど、デメリットはなんだろう?

今回は、海外移住をした後のデメリットについてご紹介します。

子連れで家族移住し、現地で第二子を出産、そして、病気の手術を受けた移住歴7年の私が考えるデメリットです。考え方、感じ方、には個人差がありますので、その点ご理解ください。

事前に少しでもデメリットについても知っておく方が、大きな期待で胸をふくらませすぎるより、がっかり度も減ります。できうる限りの対策を取ることもできますよね。

デメリット1. オランダ語の習得がやはり難しい

みなさんは、オランダ語学習についてお考えですか?

私の場合は、永住権の取得を目的に、市民化テストや統合テストなどと訳される「Inburgerinexamen」に合格しました。

取得までは、オランダ語の習得のために、週2回程度の語学学校に数年通いました。そこでは、外国から移住や駐在でオランダに住み、第3、第4言語としてオランダ語を学ぼうとする人ばかりでした。もちろん最たる目的は、ほとんどみんな永住権の取得です。

オランダ語は「最も話されている言語トップ200ランキング」61位

オランダ語といわれても、耳馴染みのない方がほとんどだと思いますが、いかがでしょうか。

例えば、オリンピックなどの国際大会でのインタビューでは、オランダ人選手は当然のように英語で答えます。そのため、なおさらオランダ語を聞く機会はありません。

では、オランダ語って、世界の言語の中でどのような位置づけなのかをみてみたいと思います。

What are the top 200 most spoken languages?

2022年調べの「What are the top 200 most spoken languages?」(最も話されている言語トップ200)では、これらの言語がトップ5を占めています。

納得、という感じの言語たちが上位を独占していますね。私の周りをぐるりと見回しても、このスピーカーたちはとても多いです。

このランキングを見ていくと、日本語は13位でした。
私の記憶では7位が日本語の定位置でしたが、残念ながら順位を落としています。

そして、話者数を見る限り、日本語を話すのは、ほとんど日本に住む日本国民だと想定できますね。

オランダ語は、というと、推定話者数2400万人で62位です。2021年よりも、ランクをひとつ落としています。言語サイズとしては、英語話者の1.6%ほど。

それゆえ、すでに英語で問題なくコミュニケーションを取れる大人が、英語よりもずっと難しい言語の勉強をするのは簡単ではありません。やはり英語の利便性、公用度にはかなわないからです。

英語が通じる国オランダ

WIkipediaによると、90から93%のオランダ人が英語を話すことができます。

肌感としても、その通りです。特にアムステルダムやロッテルダムなどの都市部ではほとんど英語で生活することも可能でしょう。

それがとても助かるのですが、オランダ語を学ぼうとしている場合には障壁になります。

なぜなら、オランダ人は、「オランダ語が通じない」「オランダ語が理解できていない(かもしれない)」という場合に、すぐに英語に切り替えてくれるのです。

こちらもその優しさに甘えてしまい、楽だし話が早いので、つい英語で会話を進めてしまいます。すると、オランダ語のスピーキング、リスニングが一向に伸びない、という問題を多くの外国人が経験します。

そして、おもしろいことに、そのせいでオランダ語が外国人に浸透しないことを、多くのオランダ人が認めています。

彼らにとっては、何語であろうとも「お互いを理解すること」の方が重要なように感じます。

とはいえ、ときどき、「ここはオランダなのでオランダ語を話してください」という方にもお会いしますよ。

 デメリット2. オランダ社会での人間関係構築は想像以上に難しい

オランダ人は家族や友達はもちろん、趣味などが共通の人と密なネットワークを構築しています。

スポーツ関連のクラブの会員だったり、自分の信念のメンバーだったり、なんでもいいのですが。そういったコミュニティに所属することで、彼らはネットワークづくりをしています。

そして、そういったコミュニティでの輪を大事にする文化があります。

しかし、オランダ語ができないと、その輪に入ることすら難しいのです。

前述のとおり、英語でコミュニケーションをとってもらえる土壌はあるのですが、オランダ人が多ければ会話はしだいにオランダ語に戻ってしまいます。そうすると、蚊帳の外になってしまいがちです。

挨拶だけでもオランダ語で話すと、ぐっと距離が縮まるのがわかりますよ。

オランダコミュニティへの入り方

もし、あなたが移住後にオランダ人と知り合いたいと思えば、自分の好きなことのコミュニティに参加してみるのが一番です。共通の好きなものを介して知り合った人なら、すぐに仲良くなれ、絆も深まるでしょう。

さらに、その輪で出会ったオランダ人であれば、困った時に力になってくれたり、仕事を紹介してくれるような可能性もあります。

スポーツや習い事などはもちろんですが、「アニメ好き」、とか、「日本好き」のような括りで知り合うと、とても溶け込みやすいと思います。相手も日本語を学ぼうとしていたり、日本文化に興味がある場合が多いからです。

一方で、そういったコミュニティなくして、オランダ人社会に溶け込もうとするのは至難の業です。オランダ語ができればさほど大変なことではないはずなのです。しかし、オランダ人からしてみれば、私たち移住者は、残念ですがオランダ語を話せない、「よそもの」なのです。

カジュアル英語は距離を縮めるのに役に立たない?!

みなさんは、アメリカ英語やイギリス英語のどちらが得意、どちらのアクセントを話したいかなどの嗜好はありますか?

私の場合、日本に住んでいたときに、西海岸のアメリカ人と仕事で接することが多い環境でした。そのため、私が話す英語もアメリカ英語、かつ、かなり砕けた英語だったようです。それに気づかずに、オランダに来た当初、そのノリで飛び込んでなんども痛い目を見ました。

なぜなら、オランダ人はイギリス英語を学んで育っています。あわせて、ヨーロッパの歴史的な貴族文化を背景に持っています。さらには、オランダに住んでいる外国人、移民ですら、イギリス英語や文化の影響を色濃く受けている場合が多いのです。

例えば、オランダにも多いインド人は、歴史的背景を理由にイギリス英語で育っています。

そんなことに気づきだすと、ヨーロッパにいるアメリカ人はすぐにわかります。英語のアクセントだけでなく、ジェスチャーが大きく、声も大きい人が多いです。そんなカジュアルさとフレンドリーさがアメリカ文化のいいところなんですけどね。

コミュニティ探しに最適なアプリ「meet up」

みなさんがオランダに移住したら、ご自身の好きなこと、やってきたことでぜひコミュニティ探しをしてみてください。

一度オランダ人とのネットワークを築けば、スムーズに進む事柄が自然と増えていきます。

Meetup: ローカルグループ & イベント
Meetup: ローカルグループ & イベント
開発元:Meetup LLC
無料
posted withアプリーチ
  1. アカウント登録
  2. イベント検索、参加申請
  3. イベント参加

の3ステップで使えてしまう便利なアプリ。

デメリット3. お天気の悪さと日照時間の短さ

オランダは夏の日照時間が長く、冬は短い緯度に位置しています。

そういった気候のことも移住前に調べましたが、この件に関しては、予想以上のデメリットを感じています。

というのも、移住前に思い描いていたのは、運河沿いのテラス席で明るい陽ざしの中夕飯を食べることでした。そんなヨーロッパの写真をよく見かけませんか?なんて気持ちのよい夏が過ごせるんだろう、と、美しい絵ばかり思い描いていたのです。

だから、冬は少しくらい日照時間が短くてもしょうがない、と軽く考えていました。

それなのになぜ、それほどまでにデメリットに感じるでしょうか。4つの理由を挙げて、ご説明します。

生活のリズムが整いにくい

第一の理由は、生活のリズムが整いにくい時期があることです。

日本であれば、太陽とともに起きて、太陽とともに床に入るような生活リズムが理想とされます。しかし、ここオランダでそんなことをしたら大変です。

例えば、日の出と日の入りの間隔が一番長い時で、約17時間あります。1日の半分以上は、明るい時間です。

そのため、時計を読めない子供たちは、朝は早くに目覚め、21時になっても22時になっても眠る気になれません。春夏のギラギラした太陽で室温が上がっていますし、遮光カーテンのない部屋では明るすぎます。ちなみに、据え置きのエアコンがついている家は、オランダではまだ一般的ではありません。

そうかと思うと、夏はどこに行ったのかと思わされるような、曇りや嵐が続いたりします。

それゆえ、お日様がキラキラしている日は、オランダ人にとっても貴重です。朝早くから、活発にならなければもったいない気がして、海へ行ったり、公園へ行ったりして過ごします。

ところが、疲れて帰宅しても、22時頃まで外が明るいので、大人ですらなんだか気が休まらないのです。そのようにして毎日を繰り返していると、体もいつしっかり休めばいいのかわからず、疲れが溜まっていくのです。

長い秋冬に気が落ち込みやすい

第二の理由は、秋冬が長く、気が落ち込みやすいことです。

秋冬は、日の出と日の入りの間隔が8時間にもなりません。春夏と10時間も違うと考えていただければ、驚愕される方も多いでしょう。

例えば、子供を学校に送っていく朝8時半でも夜みたいに暗いときがあります。一瞬陽の光に会えたかと思うと、子供をお迎えに行く15時ごろにはもう薄暗くなっていて、1日の終わりを感じます。

そのため、こういう日々が続くと、体がしゃきっと目が覚めず、一日中眠く、だるいような日が増えます。

特に、海外移住は、ただでさえ慣れない環境、人間関係、文化の違いなど諸々の変化で大変ですよね。そこへきて、日照時間の少なさが、輪をかけて気を滅入らせてしまうことがあります。どんよりしたお天気で気分が晴れず、行動力を減退させてしまうかもしれません。

しかし、それはオランダに移住する日本人や移民に限ったことではありません。

実は、オランダでは12人に1人がうつ病に悩んでいるとも言われます。夜にテレビをつけていると、うつ病の人へ向けたメッセージのCMをよく見かけます。

ビタミンDの生成が減り、歯や骨が弱くなる?

第三の理由は、ビタミンDの生成が減り、歯や骨が弱くなる恐れがあることです。

ご存知の方も多いと思いますが、紫外線を浴びることで、人間はビタミンDを作り出すそうです。ビタミンDというのは、歯や骨を丈夫にするのに大切な要素。それが不足してしまうと、どうなるのでしょう。

ご想像の通り、歯や骨が弱くなってしまう恐れがあるのです。また、うつ症状を発症しやすいと言われることもあります。

事実、オランダでは0歳から4歳までの子供達は、ビタミンDのサプリメントを毎日摂取しなくてはいけません。そうすることで、発育をサポートしています。

つづく4歳以上の子供は、肌の色が褐色に日焼けしていれば、十分日光を浴びている、と考えられ、ビタミンDサプリの摂取は必須ではなくなります。

大人はどうかというと、65歳までは必須だとは言われていません。それ以上の年齢の方は摂取がおすすめです。

しかし、それは肌の色も違うオランダ人に向けたアドバイスだと私は思います。よって、オランダに住み始めた日本人は摂取した方がいいと思います。

なぜなら、東京の平均日照時間は毎月150〜200時間ですが、オランダは短い月で50時間の季節もあります。つまり、何十年も育ってきた環境と大きく異なるため、ビタミンDをサプリメントで補った方がいいということです。もしくは、「日サロ」もオランダではよく見かけます。

ちなみに、ビタミンDのサプリは、スーパーやドラッグストアで1000円以下で手軽に手に入ります。

オランダのお天気を体験したら、「日いづる国、にっぽん」のありがたさが骨身に染みます。

変わりやすいオランダの天気でインドア生活が多くなる

第四の理由は、子供にとってあまり良くないことなのでしょうが、インドア生活が増えてしまうことです。

なぜなら、オランダの天気は、1日に四季があると言われるほど変わりやすいのです。そのため、家や建物内で過ごすことが増えてしまいます。

例えば、さっき晴れ間が見えたかと思うと、途端にみぞれ。そのまま風雨が強まり外出ままならないので、もう今日は家で子供を過ごさせよう、と思うと、夕方頃とてもいいお天気になって、「外行きたーい」とごねられる。

とういうような日々です、笑。本当に、冗談ぬきです。

そのような変わりやすいお天気に翻弄されてしまうと、なかなか予定通りに事が進みません。だって、横殴りの雨が降っていると、スーパーへお買い物に行くにも、公園に行くにも躊躇してしまいます。尚且つ、冬の雨は特に冷たく、風の強い日も多いので、おしゃれも楽しめません。

個人的には、移住7年目にして、ようやくお天気とのつきあい方が掴めてきたように思います。

デメリット4. 日本の医療技術、制度のすばらしさ

日本では、皮膚に湿疹ができれば、皮膚科に。骨が折れたら整形外科に。

というように、直接「病院」(蘭:Ziekenhuis 英:Hospital)へかかることができますよね。

ところが、ここオランダでは、まず「診療所」(蘭:Praktijk 英:Practice)にて「かかりつけ医」(蘭:Huisarts 英:Family Doctor)による診察、簡単な治療、薬の処方、採血などを受けます。そこで解決できない時に限り、紹介状を書いてもらい、「病院」の予約をとり、専門医による治療を受けることができます。

どうもこの制度が実にまどろっこしい。以下に3つの理由を挙げましょう。

日本人にはものたりない、かかりつけ医の医療提供度

第一の理由は、かかりつけ医(ハウスアーツ)で提供される医療サポートが、日本人には足りないと感じることです。

例えば、風邪をひいた子供をかかりつけ医(ハウスアーツ)に連れて行っても、

パラセタモール(バファリンのような市販薬)を飲ませて、水をよく飲んで寝なさい、というのがハウスアーツの口癖です。

症状によっては、他の人にうつしてしまうので、診療所へ来ないでほしい、と言われた話もたびたび耳にします。(コロナの始まる前の話ですよ)


伝染する病気に慎重なのかと思えば、水ぼうそうの人は特に医師の診察も要らず、通学/通園可能なんです。

抗生物質もめったに処方されないので、たいていの場合は、ドラッグストアにある市販薬で自己治癒(セルフメディケーション)に励みます。たいていは、「パラセタモール」で解決、というのがオランダ人流です。

専門医にかかるまでに時間がかかる

第二の理由は、前述しましたが、病院で専門医にかかるまでに、時間がかかってしまうことです。

日本では、ささいな症状の場合でも、皮膚科なら皮膚科、泌尿器科なら泌尿器科の医師の診断をその日に仰ぐことができます。かつ、放射線やレントゲンなど、必要な処置をすぐに受けることも可能ですよね。(よほど混んでいない限り)

その場で専門医に、「心配するものではないですよ」と説明してもらえれば大きな安心が得られます。

しかし、オランダのかかりつけ医は医療保険との兼ね合いもあり、そう簡単に専門医に紹介状を書いてくれません。かかりつけ医は「保険の番人」とも呼ばれています。

ただ、命の危険が迫っている緊急の場合や、骨が折れている、明らかにしこりがある、場合などは、すぐに紹介状を書いてくれると思います。あとは、病院の混雑具合で専門医による診察までの待ち時間が変わると思います。

日本人医師は繊細、器用

第三の理由は、オランダ人医師より、日本人医師の方が一般的に手先が器用で繊細だと思うことです。

オランダで、オランダ人歯科医師しかり、オランダ人医師による外科手術を経験した私が断言します。

経験上、日本人医師は繊細で、手先も器用な場合が多いと思います。イコールいいお医者様、と言えるかどうかはわかりませんが、「失敗はありえない」空気も日本の病院にはありますよね。その分、日本の病院で働く人々のプレッシャーは大きいでしょうが、患者にとっては大きな安心です。

その上、オランダではお互い第二言語による英語での意思疎通となります。この点も、言語や文化でわかりあえると、安心してお任せできると思います。

オランダ移住7年の私が感じるデメリット4つ、のまとめ

以上、オランダ移住7年の私が感じる、オランダ移住のデメリットでした。

これは現時点でのデメリットであって、オランダ在住10年経つと、また新たにデメリットが加わったりするのでしょうか。それとも、デメリットだったことがデメリットじゃなく感じられるものなのでしょうか。

とにかく、細いことを気にせず、「生きているだけで丸儲け」精神で気楽に生きるのには、オランダはとってもいい場所だと思います。

最後に、今回のおさらいをしておきましょう。

みなさんがデメリットに思うことはありましたか?

デメリットとも、うまくつきあっていきたいですね。

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