- 海外に住むときは、住民票は抜かなきゃいけないの?
- 住民票を抜くとどうなるの?
- 海外転出届を出さないとどうなる?
- 住民票を抜くのはいつ?
- 住民票を抜くのに必要なことは?
今回は、海外へ住むことになったら誰しも考える疑問についてお答えします。
結論、住民票は抜いておくほうがいいでしょう。
以下で、その理由と、住民票の手続き方法についてもご紹介します。
そもそも住民票を抜くってどういう意味
住民票を抜く、というのは、「転出届を出す」という意味です。日本国内で引っ越しがあった場合に、引っ越し前の役所へ「転出届」を出さなくてはいけないのと同じことです。
海外に引っ越しする場合は、日本国内での「転入届」を提出しないままになります。そのため、「住民票を抜く」という表現が使われたりします。
反対に、住民票を抜かない、というのは、「日本在住のままにする」という意味ですね。
海外に引っ越しする場合に転出届を出すべき?
では、海外に住む場合、転出届を出して、住民票を抜いて方がいいのでしょうか?
実は、海外におおむね1年以上住むことになる場合は、この転出届を提出するよう、どの市区町村もお願いしています。
1年以内に日本に戻ってくるような留学、ワーホリや海外滞在の場合は、住民票はそのままでいい、ということになります。
転出届内に記入する項目は、国内引っ越しと大きく変わりませんが、区別するために「海外転出届」と呼ばれることもあります。
住民票を抜く(海外転出届を出す)と変わること
海外引っ越しの際に海外転出届をお住まいの各市区町村へ出すと、変わることがあります。
- 国民年金の加入義務がなくなる
- 国民健康保険の加入義務がなくなる
- 住民税の支払い義務がなくなる
ひとつずつ見ていきましょう。
国民年金の加入義務がなくなる
国民年金とは・・・
日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満の方で、厚生年金保険に加入していない方は、すべて国民年金の第1号被保険者または第3号被保険者となります。
<引用元> 日本年金機構 国民年金に加入するための手続き
簡単にいうと、20歳から60歳までの40年間に納めた保険料が、65歳から年金として受け取れる制度です。
この加入と保険料の支払いは、日本国内に住んでいる場合、義務です。
しかし、海外転出届を出すと、国民年金の加入義務がなくなります。
年金の継続加入は可能。
将来受け取ることができる年金額は、納めた年金料によります。
お住まいの役所へ問い合わせ、必要な手続きを行いましょう。
国民健康保険の加入義務がなくなる
国民健康保険とは・・・
国民健康保険制度は、他の医療保険制度(被用者保険、後期高齢者医療制度)に加入されていない全ての住民の方を対象とした医療保険制度です。
<引用元> 厚生労働省 国民健康保険制度
平たくいうと、国民健康保険料を支払っていれば、保険証がもらえ、病院に行った時に、医療費を全額負担せずにすむわけです。
おおよその人が、医療費の2割から3割を支払っています。
海外転出届を出すと、日本に住んでいないので、日本の病院を利用しないことになる、と考えられます。そのため、支払いの義務は無くなります。
住民税の支払い義務がなくなる
住民税とは・・・
住民税(じゅうみんぜい)は、日本の税金のうち、都道府県民税と市町村民税を合わせていう語。特に、個人に対する都道府県民税と市町村民税は、地方税法に基づき市区町村が一括して賦課徴収することから、この2つを合わせて住民税と呼ぶ。
<引用元> ウィキペディア 住民税
つまり、日本のどこかに住んでいる限り、支払う必要があるのが、住民税です。
ところが、海外転出届を出すと、日本には住んでいないことになります。そのため、住民税は徴収されません。ただし、大事な条件があります。
1月1日の住民票の住所に対して1年間の住民税が割り当てられます。
例)1月1日の住民票が日本
→ 1月2日に海外転出届を出す。
→ 1年間の住民税を支払う。
詳しくはこちらの記事をどうぞ。
海外転出届を提出しない場合
1年以上海外に住む予定でも、海外転出届を出さないとどうなるのかな?
海外転出届を提出しない場合は、「国民年金」「国民健康保険」「住民税」はもとより、固定資産税などの税金も支払いを続けなくてはいけないことになります。
法的にはどうなの? ペナルティあるの?
今の所、海外転出届を出していないからといって、ペナルティが課されることはありません。
結局、住民票は抜いたほうがいいの?
もし、日本にちょくちょく帰国できる環境にあり、納税の義務を果たせ、日本での医療を受けたい場合は、住民票を残しておくメリットがあると思います。
特に、日本で受けられる医療は、大きなメリットと考えられます。それほど、日本の医療技術と環境は高いと思います。また、言葉が通じることは大きな安心材料ですよね。
そうでなければ、1年以上日本を不在にする場合、住民票を抜いておきましょう。
海外転出の届け出は出国の2週間前から可能
住民票はいつ抜けばいいの?
海外へ出国する日の2週間前から、お住まいの役所や出張所で手続きできます。
基本的には本人が行います。委任状があると代理人の方でも可能です。
海外転出の届け出に必要な書類
必要な書類は何かな?
海外転出届に必要な書類は、以下2点です。
- 本人確認書類
例)運転免許証、パスポート、個人番号カード、住民基本台帳カード、在留カード、健康保険証等 - 個人番号カードまたは住民基本台帳カード(住民票を抜く全員分)
海外へ転出すると、個人番号カードおよび住民基本台帳カードは使用できなくなるため、返納しなくてはいけません。
つまり、コンビニなどで証明書の発行などができなくなるので、提出の日時に注意が必要です。
郵送での提出も可能な市区町村が多い
海外への転出届は、郵送での手続きも可能です。ホームページにダウンロード可能な郵送用の用紙がある場合が多いようです。
お住まいの各役所のホームページやお電話でご確認くださいね!
住民票を抜く、のまとめ
海外へ引っ越しの際に、住民票を抜かないとダメなのかどうか、をお届けしました。
ペナルティはないので、住民票を残しておけますが、1年以上海外に滞在する予定の人は、基本的には提出するつもりで準備しましょう。
では、まとめです。
まとめ
海外引越は、考えなくてはいけないことも多く大変です。一つずつ丁寧にこなしていきましょう!