オランダと日本での出産には、大きな違いが1点あります!
病院で出産して2〜3時間で退院させられるんだって。
産後の体で新生児のお世話はどうしよう?
心配しないで。すぐに「クラームゾルフ」が自宅に来て赤ちゃんのお世話をしてくれます。
日本では、病院出産をすると5〜7日入院が基本ですよね。その間に、新生児の健康チェックや、お世話について教えてもらったり、体力を回復させるのが目的です。
一方、自宅出産が6〜7割のオランダでは、産後すぐに始まる新生児のお世話、妊婦さんの産褥(さんじょく)ケアをしてくれる強い味方がいます。
その人を「クラームゾルフ」蘭:Kraamzorgと言います。看護師のような医療資格は持っていません。
この記事を読んでいただき、事前にクラームゾルフにお願いできそうなことを考えてみてください。オランダで出産予定の妊婦さんも、安心して出産できると思います。
妊娠初期にクラームゾルフに登録をしておく
妊娠10週以降の助産師との検診がすめば、クラームゾルフに予約しておくように告げられます。ちびいきの場合は、クラームゾルフ会社のリストが渡されました。
10社くらいありましたが、ホームページに英語表記があったので決めました。バイリンガルで対応してくれるだろうと思ったので。そうでもしないと、特にこだわりがなければ決めるのが難しいです。どこも似通っています。
オランダ在住日本人のクラームゾルフさん
私が確認できている限り、オランダにも2人、日本人のクラームゾルフさんがいらっしゃいます。とってもありがたい存在ですよね。
私が出産の半年前に確認した時は、活動エリアではなかったこともあり、ご都合が悪かったようです。クラームゾルフさんはとてもお忙しいので、希望のある方は出産予定日がわかったら、まず一報なさるのが吉だと思います。
・MIHOさん https://www.aziatischekraamverzorging.nl/
・小出久美さん https://www.facebook.com/kumirotterdam2
妊娠中期にクラームゾルフと面談をする
妊娠27週頃、クラームゾルフが面談のため自宅に来ました。訪問に来たのは、クラームゾルフ本人ではなく、その会社の人でした。
なので、事前に自分がお世話になる予定のクラームゾルフと顔合わせするための面談ではないようです。
初めて利用する外国人の身としては、顔合わせしておけるとなんか安心だよね
しかし、どの妊婦さんにとっても基本的には自然出産は突然訪れるもの。クラームゾルフも、そんな妊婦さんにあわせて動くので、勤務体系がまちまちなのだそうです。つまり、自分のお世話をしてくれることになるクラームゾルフをあらかじめひとりに決めておくのは、難しいということです。
指定された産前や産後に連絡を入れると、こちらからの条件にできるだけ合わせたクラームゾルフが来てくれます。もしなんらかの不一致を感じたら、別のクラームゾルフを手配してくれる場合もあるそうです。もし不愉快に思う場合は、遠慮せずに、伝えてみましょう。
オランダの育児日誌
英語で表記された育児日誌を渡されました。これは、クラームゾルフとパパママで、新生児の健康の様子を記していくものです。
第一子の時にもこのような日誌を書きましたね。すっかり記憶から消えていましたが、1冊で6ヶ月分くらい書き込めるものでした。
しかし、このもらった育児日誌は最大たったの10日。それ以降書き足したい場合は、自身で用意する必要があります。
クラームゾルフにお願いしたい4つのこと
クラームゾルフとは1時間ほどの面談でした。
これまでの妊娠出産ヒストリーや、現在の妊娠の様子について、Q&A方式で話していきました。オランダ人でしたが、英語で進めてくれたので助かりました。
質問に答えて行きながら、こちらからの希望や要望も伝えておきます。
「ご飯を作ってほしい」「お掃除してほしい」などの要望を出す人もいるようですが、個人的にはそういうのは必要ないと感じました。要望を出しても、できないことはできない、とはっきり言われるます。言うだけ言ってみましょう。
クラームゾルフとの後日談
私のところに来てくれたクラームゾルフは、まだ30歳ほどでしたが、すでに2児のママで、数社のクラームゾルフ会社での経験がありました。
最初は、オランダ人向けのクラームゾルフ会社で働いていたそうですが、依頼内容についていけなくてやめたそうです。
一方で、現在の駐在や外国人向けのクラームゾルフ会社では、「クラームゾルフの扱いに慣れていない人たち」なので、無理難解なお願いをされることがなく、働けているとのことでした。
知らない世界、の話で、いろいろ面白い話ができました。
クラームゾルフ会社の人がお家の中をチェックする
その後、クラームゾルフの会社の人が、お家の中をザーッとチェックします。
たとえば、我が家でひっかかったのは、以下のもの。
上記すべてを整えておく必要はありません。しかし、ママのケアをするときに、クラームゾルフが腰をいためないよう、ベッドを80cmの高さまで底上げするものは必要だというので、無料でレンタルさせてもらうことになりました。
「Medipoint」という会社のホームページからは、このような出産後に使う道具から介護などに必要な用品も借りることができます。
すべてクラームゾルフの会社で手配してくれるので、後日配送の受け取りをするだけです。
他の、新生児のケア品は出産までにのんびり準備しておけば大丈夫です。
ちなみに、「クラームゾルフボックス(蘭:Kraampakket)」は、加入する保険会社に問い合わせましょう。加入プランによっては、無料で提供してくれます。私の保険の場合は、26ユーロで購入となりました。
まとめ
オランダで出産にのぞむのが初めての方は、たくさん心配や不安がわきあがってくると思います。特に、産後に入院が可能な日本とオランダはまったく違います。
助産師との検診ではもちろんですが、産後のお世話をお願いできるクラームゾルフに聞きたいこと、不明なことをリスト化しておきましょう。
オランダ人はストレートにものを言うので、「こんなことお願いしてもいいのかな」などとくよくよ考えなくて大丈夫です。できることは、YES、できないことは、NOと言われるだけで、いっさいあとくされありません。
大事なのは、ママの体の回復です。お願いできるところはお願いして、しっかり体を休ませましょう。