妊娠11週(人によっては12週)のエコーと新型出生前検査(NIPT)を終えると、
オランダではしばらく助産院へ行く機会は無くなります。
そのまま、妊娠13週頃から妊娠中期と呼ばれる妊婦としての黄金期にはいります。
この時期に検討しておきたいこと、とされるのが赤ちゃんに何らかの異常があるかないかです。
通常の超音波検査では確認できない細部をみる検査が、「スクリーニング検査」と呼ばれます。
オランダでは中期胎児スクリーニング検査って受けられるの?
今回は、妊娠20週で受けたオランダでの妊婦検診と胎児スクリーニング検査についてご紹介します。
また、日本・東京での第一子出産時にも同様の検査を受けたので、その時との比較もご紹介したいと思います。
妊娠中期20週検診と気をつけること
さて、まずは8〜9週ぶりの助産院での検診を受けることになると思います。
血圧測定。体重を洋服と靴を履いたまま計ります。
その後、私に衝撃の質問が助産師から飛んできました。
甲状腺の血液検査受けてる?
産科医に言われなかった?
聞いてないと思うんですが、
妊娠中は6週間おきに受けてね。
前回から時間も経ってるし、今日のうちに行ったほうがいいわね。
オランダあるあるというか、むしろ海外あるあるでしょう。
質問しないでいると、本当に放置され、自己責任になります。
問い合わせしなかった私が悪い、というのが、こちらのスタンダードです。「どうして教えてくれなかったの!」なんて誰のことも責めることはできません。
不安なこと、戸惑っていること、なんでも伝えてみましょう。聞いてみましょう。聞くのはタダ、後悔先に立たず、です。
問診が終わると、ベッドに横になり、助産師がお腹の上から赤ちゃんの位置や向きを触診します。
そして、赤ちゃんの心音を確認します。
お腹にマイクのようなものをあてて、スピーカーから元気な鼓動を聞くことができると、久しぶりの検診にほっとひと息つけますね。
赤ちゃんに気になる様子があるときは、助産師が教えてくれます。
私の場合は、ホームドクターを通して甲状腺の血液検査を受けることを勧められました。
そうしないと、検査結果が私のオンラインカルテに残らないようです。
オランダでは、ホームドクターや助産院が共通のオンラインカルテを見ることができます。
この時期に気をつけることはないですか、と聞いてみると、「特にない」とのこと。
妊娠中期に差しかかり、食欲が増えてくるころだけれど、体重増加を気にせず食べたいものをおいしく食べるようにね、と言われました。
日本では、出産までに7〜10Kg増ほどが目安だと思いますが、オランダでは体重増減について細かく言われません。
それは、体重測定のときに服や靴を履いたまま、ということからもお分かりいただけるでしょう。
この体重管理もある意味、自己責任、ということですね。
妊娠後期になると、お腹が大きく重たくなってきます。お部屋の掃除、準備、上の子とのデート、旅行など動けることをやっておくのは今がおすすめです。
東京で受けた胎児スクリーニング検査とオランダの違い
続いて、今回のメインパートである妊娠中期胎児スクリーニング検査です。助産院ではなく、病院の超音波室に移動しての検査です。
第一子妊娠中は、東京の「胎児クリニック東京」(現在「FMC東京クリニック」)にて実費で受けた胎児スクリーニング。初期と中期の2回で10万円程度でした。
胎児クリニック東京は、当時スクリーニングが可能であったわずかな専門クリニックのひとつでした。まだ日本の病院では導入されていないような最新の機材が整っていました。
今回オランダでは、いわゆる日本の「総合病院」の産科で受けたことになります。
どうやら、日本のクリニックの方が機械の質がよく、もっとくっきりはっきり見えた気がしました。3Dでもありません。
しかし、オランダでのこの胎児クリーニング検査(妊娠12週頃と20週頃の2回)はオプションではありません!!
すべての妊婦が保険診療内で受けるものなのです。
そう考えると、充分だと納得できる内容です。
超音波技術師により、お腹にジェルを塗って(通常の経腹エコーのように)、精査可能な順にひとつずつ、45分かけて診ていきます。
赤ちゃんの位置や向きによって、診る順番は変わります。
脳、心臓が4つに別れているか、静脈動脈の通い方、背骨、手脚の骨、アイホール(眼窩)、耳・・・など。
すべての異常がわかるわけではありませんが、人間として大事な部位が発達していると聞くと、とても安心します。
私たちの足元にも大きなスクリーンがあり、同じようにみています。
もちろん私は説明を受けないとどこがどこだか、わかりません。
しかし、赤ちゃんがお腹の中で動く様子を少し見ることができ、神秘的な時間でした。
問題なくことが進み、「性別知りたい?」と言われたので、「もちろん」と返すと、スクリーンに写しだされたのは、ちぃちゃな突起物。
この時点まで、娘を育ててみたかった私たち夫婦は、名前も女の子で考え始めていました。
しかし、いいのです、突起物があっても、健康であるなら、ということですね。
超音波エコーで診断、低置胎盤はいつ治る?
前回の11週エコーでも位置が低いと言われた胎盤。
今回の胎児スクリーニング検査でも胎盤の位置が低いままであることがわかりました。
そして、オランダで初めての経膣エコーで胎盤をチェックすることになりました。
しかも、日本のような脚置き場のついている分娩台のようなチェアの上ではありません。
今の今までエコーを受けていた真っ平らなベッドの上でボトムを脱ぎ、同行していた夫の横で自ら足を開くスタイルです。
胎盤は子宮口から2.5cm離れた位置でした。前回の妊娠時も胎盤の位置が低かった私はやや心配になりました。海外でややこしい出産だけは体験したくないです。
その結果を見た助産師は・・・
心配いらないから!
そのひとこと!明るく言い放ちますよね〜。
常にポジティブシンキングなのも、オランダあるあるといったところでしょうか。
助産師でも医師でも、超音波技術師でも、タトゥー、ネイル、アクセにお洒落もして医療機関で働いています。
そんな彼らに笑いながらあっけらかんと言われると、なんだかつられてしまいますね。
ちなみに、前回妊娠時の低置胎盤は、妊娠後期には赤ちゃんの成長と共にぐっと上にあがっていました。やはり心配しすぎず、心穏やかに過ごすのがいいですね。
まとめ
胎児中期スクリーニング検査は、日本では有料かつ、保険適用外のため高いです。誰にでも受けられるものではありません。
しかし、オランダでは、妊娠11週のエコーとNIPT(出生前検査)が受けられる上、妊娠中期20週にはスクリーニング検査が保険適用内で受けられます。
気になる方は、チェックしてみてくださいね。