- オランダに世界遺産はあるの?
- いくつ?
- それぞれどんなところ?
といったご質問にお答えします。
世界遺産とは、歴史的、文化的、芸術的に卓越した価値を持ち、全世界にとって重要な建造物や地域のことを指します。オランダにある以下12のユネスコ世界遺産は、オランダの歴史をありありと描き出しています。
- 1.ワッデン海 Wadden Sea
- 2.Ir.D.F.ヴァウダ排水機場 Ir.D.F. Wouda Steam Pumping Station - Ir. D.F. Woudagemaal
- 3.慈善の集団居住地群 Colonies of Benevolence - Kolonien van Weldadigheid
- 4.スホクラントとその周辺 Schokland and Surroundings
- 5.ベームスター・ポルダー Beemster Polder
- 6.アムステルダムの運河地区 Canal District in Amsterdam
- 7.オランダの水利防塞線群 Dutch Water Defense Lines
- 8.ローマ帝国の辺境 Frontiers of Roman Empire
- 9.リートフェルトのシュレーダー邸( ユトレヒト)Rietveld Schröder House, Utrecht
- 10.ロッテルダムのファン・ネレ工場 Van Nelle Factory, Rotterdam - Van Nellefabriek
- 11.キンデルダイク=エルスハウトの風車網 Mill Network at Kinderdijk-Elshout
- 12.キュラソー島・ウィレムスタッド Willemstad, Curaçao
番号ごとに該当の位置を地図「オランダの12の世界遺産」でご確認いただけます。
オランダ本土の11の世界遺産を自転車で回ろう
オランダ本土にある11の世界遺産に沿って、自転車ルートが設定されています。全長約800kmのコースで、詳細な地図はこちらで確認できます。
https://www.fietsnetwerk.nl/en/partners/unesco-world-heritage/
世界遺産だけでなく、自転車道からはオランダのあちこちの美しい場所も眺めることができます。
なぜユネスコは世界遺産を保護するのか?
世界遺産は、正式にはユネスコ世界遺産と呼ばれますが、多くの人はユネスコが何なのか、ユネスコが何をしているのかよく理解していません。
ユネスコは、国連の一部である組織です。UNESCOは、United Nations Educational Scientific and Cultural Organizationの略で、「国際連合教育科学文化機関」という意味です。
ユネスコの任務は、世界の平和と安全に貢献するために、各国間の協力を促進することです。
ユネスコの任務は、協力を活性化するために、国家間の相互理解を促進することです。国際協力の実現には、相互理解が不可欠であり、相互理解は他国の歴史を理解することから始まると考えています。
そこで、オランダのユネスコが世界的に重要と考える建造物や地域を世界遺産に指定し、相互理解の機会を提供しているのです。
オランダにある12の世界遺産
それでは、オランダの世界遺産12個を、おおよそ北から順にひとつずつ見ていきます。
1.ワッデン海
ワッデン海はオランダで最も美しい地域です。
2009年に、オランダ、ドイツの保護区がユネスコの世界遺産に登録され、2014年にデンマークの保護区も対象となりました。それほど、ワッデン海は広範囲に及びます。
ワッデン海は、世界で最後に残された大規模な潮間帯の生態系のひとつであり、自然のプロセスがほとんど乱されることなく機能し続けています。
この辺りでは、引き潮になったタイミングで、この辺りの5つの島とオランダ本島とを歩いて渡るというアクティビティがあります。その名も日本語で「泥歩き」という、「Wadlopen(ワドローペン)」。
2. Ir.D.F.ヴァウダ排水機場
1920年に建設されたIr.D.F.ヴァウダ排水機場は、1998年にユネスコの世界遺産に登録されました。史上最大の蒸気ポンプ場として、当時の水力工学の最高傑作とされています。
Ir.D.F.ヴァウダ排水機場は、歴史的に国の大部分を占めるオランダの低地から水を排出してきました。
風車がその役目を請け負っていましたが、19世紀後半からは、このような蒸気式ポンプが次々に導入されました。オランダ人が自然の力から人々や土地を守ってきた証なのです。
ヴァウダ排水機場は現在も稼動しています。
3. 慈善の集団居住地群
ユネスコは2021年、オランダの3つの集落を含む「博愛のコロニー群」を世界遺産に認定しました。
オランダ・ドレンテ州のフレデリクスゾード(FREDERIKSOORD)、ウィルヘルミーノード(WILHELMINAOORD)、ヴィーンハイゼン(VEENHUIZEN)です。
これらは、19 世紀に新しい農業集落での社会的雇用を通じて貧困を削減するために設立されました。生活保護に頼らず自活できるよう、貧しい人たちに住居と土地が提供されたのです。
オランダ屈指のリゾートホテル、ホフ・ファン・サクセンは、この世界遺産の近隣にあります。
4. スホクラントとその周辺(スコクラントとも)
スホクラントが世界遺産に登録されたのは、1995年のこと。
この一帯は、オランダ人と水との永遠の闘いを象徴しています。
スホクラントはゾイデル海に浮かぶ島でした。侵食されたり、埋め立てたりした跡が今でもいまでも残っています。
高潮で危険かつ堤防建設などに多額の費用がかかることを理由に、居住地に適さないと住民は島をおわれました。今は、陸続きとなり、スホクラントは、現在フレヴォラントの一部として再生されています。
Gieters Gruttertje, Vintage stay in the village centre
Dominee T.O. Hylkemaweg 32, 8355 CE Giethoorn, オランダ
ジャグジーも予約して、のんびりあったかい夜を過ごすのにぴったりのアパートメントタイプの宿。
オランダの観光名所、ヒートホルン(Giethoorn)からも近い絶好のロケーションです。
5.ベームスター干拓地
ベームスター干拓地は、1612年にベームスター湖を排水したことによって誕生しました。この干拓地が建設されたのは、水が都市を脅かし、より多くの農地が必要になったためです。
オランダ人水利技師ヤン・アドリアンスゾーン・リーグウォーターがこの革新的な装置の製作を担当しました。
湖の周りに 42 キロメートルの頑丈な堤防が建設され、その周りに環状運河が掘られました。その後、湖は43 基の風車で汲み出されました。1612年5月、水が枯渇し、厳密な幾何学パターンに従って建設されていったのです。
ユネスコは、ベームスター干拓地を、古典とルネサンスの計画の原則に従って配置された、野原、道路、運河、堤防、集落の傑作として1999年に世界遺産に登録しました。
6.アムステルダムの運河地区
アムステルダムの運河地区もまた、オランダ人による大規模な水管理の一例です。実は、アムステルダムは、都市建設のために、泥炭湿地が排水されて作られた完全な人工都市なのです。
現在もアムステルダムの洪水を避けるため、継続的に排水が行われています。すべての運河の総延長は約14kmで、80以上の橋が架けられています。
17世紀、アムステルダムは理想的な都市と見なされ、世界中の新しい都市の参考にされました。東京駅(1914年)も、アムステルダム駅を模して建設されたとかされてないとか。
Keizershouse Amsterdam
Keizersgracht 468HS, 1017 EG Amsterdam, オランダ
アンネフランクの家から徒歩12分、アムステルダム国立美術館なども徒歩圏内。アムステルダムの中心部にあるステイ先です。アムステルダムを観光するならば、住むような特別の体験ができるここがおすすめです。
7.オランダ水上防衛線
オランダ水上防衛線は、かつての世界遺産「アムステルダム防衛線」と「新オランダ水上防衛線」を延長したものです。
オランダ水上防衛線を合わせると、オランダの経済・行政の中心地の端に沿って200km以上にも及び、42の要塞を備えています。
オランダ水上防衛線は、砦、水門、運河、浸水堤が相互に連結したネットワークで構成され、防衛のため一時的に低地部を浸水させるようになっていました。
しかも冠水しても水深30cmほどだったので、ボートも使えない様に設計されました。そのため、敵が容易に入ってこれないのです。
Naarden(ナールデン)を上から見ると、星型!ステキでしょ!
オランダ水上防衛線の多くの部分はそのまま残っており、見学することができます。場所やアクティビティについては、ウェブサイトをチェックしてください。
'https://www.stellingvanamsterdam.nl/en/visit-the-defence-line'
ユネスコ世界遺産 Stelling van Amsterdam
詳細はこちらをクリック
Natuurhuis in het Gooi
12 Roelofslaantje, 1411 HA ナールデン, オランダ
2ベッドルームのヴィラタイプなので、ゆっくり静かに滞在できます。
Google mapにまだ登録されていません。(2023年2月時点)
8.ローマ帝国の辺境
2000年前、ローマ帝国の北の国境はライン川に沿っていました。そして、ナイメーヘン、ユトレヒトを経て、カトウェイクの海に突き当たる部分までがローマ帝国だったのです。
オランダには、カステラと呼ばれる砦が20ほど建設され、間には、数多くの見張り台(物見櫓)も建設されました。
このローマ時代の辺境の遺跡として、浴場や遮水壁などが残っており。当時のローマ人がいかに先進的であったかを物語っています。
この辺境のおかげで、オランダ全土で現在と過去をつなぐ歴史的な発見が多くなされています。オランダの湿った土壌のおかげで、遺跡の保存状態が良かったようです。オランダほど保存状態のよいローマ時代の船が多く発掘された国はないとか。
9.ユトレヒトのリートフェルト・シュレーダー邸
リートフェルト・シュレーダーハウスは、オランダの建築家リートフェルトによって1924年に建てられました。
リートフェルト・シュレーダーハウスは、デ・ステイル建築のハイライトのひとつであり、オランダ建築の傑作とされています。
内と外のスムーズな切り替え、水平・垂直の線による構成、原色の使用など、デ・ステイルの特徴的な要素がすべてこの住宅に反映されています。この建物が建築に与えた影響は、現代に至るまで続いています。
2000年に世界遺産に登録されました。
インテリアや家具もこの建物と一体となっており、建物内にも飾られているリートフェルト・チェアは、建物と同じくらい有名かもしれません。
Boetiekhotel De Kastanjehof
Kloosterlaan 1, 3749 AJ ラーゲ・フールセ, オランダ
屋外で樽型のお風呂とサウナを楽しめます。1時間貸切でリクエストできますよ。
10.ロッテルダムのファン・ネレ・ファクトリー
ファン・ネレ工場は1920年代に設計・建設されました。1995年まで、タバコ、コーヒー、紅茶の製造工場として機能していました。
ファクトリーは、いくつかの異なる工場が別々の建物で構成され、ブリッジで繋がっています。ファン・ネレ工場は、外界に開かれ、十分な日照と快適な労働条件を備えた理想的な工場であったそうです。
2013年に世界遺産に登録されました。
Gelderse plein 50, Centrum, 3011 WZ ロッテルダム, オランダ
ロッテルダムの有名な「キューブハウス」の目と鼻の先に宿泊できます。食の宝庫、マルクトハル(Markthal)や美術館にも近く、素敵なロッテルダムステイになると思いますよ。
11. キンデルダイク=エルスハウトの風車網
キンデルダイクにある19基の風車の列は、オランダの絵としてよく知られています。
キンデルダイクが世界遺産である理由は、美しいというだけでなく、これらの風車が、農地用の土地の排水のための巧妙なネットワークだからなのです。
世界遺産キンデルダイクは、国土の多くを水に覆われたオランダを排水し、この卓越した水管理技術によって、土地と人々の暮らしを守ってきました。
それでも、自然に完璧に争うことはできず、オランダは何度も水の被害を受けています。
1997年に世界遺産に登録されました。
HUP
Arkweg 3-17, 5731 PD ミールロ, オランダ
プール、ジム、サウナ、ボーリング場などを併設したホテルで、思いっきり遊べます。室内もバスケットコートやサッカーフィールドをモチーフにした遊び心あるインテリアでとってもおすすめ。子供から大人まで楽しめます。
12.キュラソー島 ウィレムスタッド
ウィレムスタッドは、オランダ植民地時代の貿易集落が非常によく保存されており、1997年に世界遺産に登録されました。
さらに、文化の交流を通じて、ウィレムスタッドはカリブ海の他の地域と文化的な歴史を共有し、
また、天然の港に面していることから、水辺に囲まれた歴史的な港湾都市として、稀有な存在となっています。
アムステルダムの運河沿いを彷彿とさせつつ、パステルカラーに彩られた建物群は、オランダとカリブ海のカルチャーをうまく調和させています。
詳細はこちらをクリック
Curacao Luxury Holiday Rentals
Ocean Resort, Bapor Kibra z/n Curacao, Willemstad, キュラソー島
プライベートビーチもある広々としたお部屋に泊まろう。
オランダの12の世界遺産、まとめ
オランダは九州ほどの面積の小さな国です。
しかし、陸続きのヨーロッパにあることから、ローマ帝国をはじめとするさまざまな歴史をかいくぐってきました。また、国土の多くは、水との闘いで得られた勝利品です。
そのような歴史の断片を窺い知ると、オランダ人の国民性も見て取れる様な気がします。
オランダの世界遺産たちは、決して派手ではありません。オランダの歴史と自然の美しさに溢れた世界遺産たちを回ってみましょう。