オランダで第二子を授かり、妊娠検査薬で陽性反応が出ました。その後は助産院との初診アポまでただただ待つのみです。その間、つわり以外に何も変化を感じない場合、不安になります。
初診はどんなかんじ?お金はどのくらいかかるのかな
まだまだ大っぴらに言えないこの時期。ホルモンの変化で心揺らぐこともあります。しんどいことをしんどいと言えなかったり、妊娠出産について相談したくても相談できなかったりします。
「病院選びについて失敗したくない」
「オランダでは妊娠出産費用どのくらいなんだろう」
「日本みたいな出産一時金みたいな制度はあるのかな」
たくさんの疑問や不安が湧き上がってくるのですが、なかなかためらってできませんよね。
今回はそんな不安を解消。助産院や病院での初診時のことと、今後出産までにかかるであろう費用についてご紹介します。その後、オランダの育児情報サイトを少しご紹介しますので、かわいいベビーグッズを見ながらこの妊娠初期を乗り切ってください!
助産院や自宅出産ではなく、オランダで病院出産を選んだ理由
私の場合、妊娠検査薬での陽性確認が6週でした。
助産院での初診は一般的に10週以降です。それまでは、出血などの緊急を要することがない限り、診てもらえません。流産の経験もあるので心配でしたが、つわりを感じていたので少しは安心できました。
オランダでは自宅出産が6〜7割。というのも、産後2〜3時間で帰宅しなくてはいけないからです。これは、多くの妊婦が自宅出産を選ぶ大きな理由のひとつです。
自分の経験を鑑みても、産後のあの状態で自宅に戻り、いきなり新生児のお世話をするというのは、超人のなせる技のように感じられます。しかも、分娩中の雄叫びだってご近所に聞こえてしまうだろうし、という恥ずかしさもあります。
それでも人生のうち一度くらいチャレンジしてもいいのかなとも思えました。
しかし、前回の分娩時、私は輸血寸前なほど出血しました。
もし、自宅分娩中に同様のことが起こった場合、助産師の車か救急車などで病院へ緊急搬送されます。その場合、上の子供がいるので、私だけでなく、夫にもかなりの負担になると思いました。すぐ近くに頼れる家族がいればやりようがあるのでしょうが、ここは海外。
そのため、始めから病院での出産にしました。水中出産や陣痛中にバスタブに浸かることに興味があったので、それが可能な病院付属の助産院を選びました。
私のように病院出産を選択なさる方は、病院の産科でエコーのアポを、助産院で助産師とのアポを取ることになります。助産師が病院へアポをとってくれる場合もあると思いますし、自分で取らなくてはいけない場合もあると思います。
一方、独立した助産院では、エコーも助産師が施術してくれると思います。
基本的に出産までは経腹エコーのみ
そうこうしているうちに、妊娠10週の初診当日がきました。まずは、病院での超音波検査(以下、エコー)からです。
設定したアポの時間にしっかり診てもらえました。
東京ではアポの時間を過ぎても、2〜3時間待ちが当たり前でした。
オランダでは、基本的に経膣エコーをせず、初診から出産までずっと経腹エコーだそうです。経膣エコーが苦手な人には朗報ですね。
靴のままベッドに横になるのですが、オランダ人用なのか高いので、足踏み台を使ってヨイショ、とのぼります。そして、お腹の部分だけ見えるよう服をまくり、ジェルを塗られて、エコー(超音波)です。ものの3分〜5分ほどで全工程終了の簡単なもの。
わずかな時間ですが、初めてのご対面。赤ちゃんの心臓がトクトクと動いているのが見えました。
何度みても生命の神秘ですよね、自分の中にもうひとつ心臓ができています
このエコー写真や検診の内容は、システム上で病院と助産院、そしてホームドクターともシェアされます。会計は基本的に後日払いです。そのため、エコーが終わり次第、特に何をすることもなく隣接する助産院に移動して妊婦検診です。
日本と違うと感じた助産院での質問は・・・
次の助産院でのアポは、45分間のインタビューの予定です。オランダ語では「intake」と呼ばれます。
実は、この初診の前に、メールで問診票が送られてきました。A4用紙6ページくらいあり、これまでの月経や妊娠出産のこと、病歴のこと、家族のこと、など細かく答えなくてはいけません。
その中でも、日本での妊娠時には、あまり聞かれなかったと思われる項目がいくつかありましたので、紹介します。
オランダでは、日本のように触診や尿検査など細かい検診をしません。そのせいか、このように日本では聞かれなかった質問も含め、たくさんの項目がありました。
インタビューは英語で進めてもらいましたが、聞き慣れない医療用語がたくさん出てくるので、多少なりとも予習して臨むことがおすすめです。
せめて、自分の経歴、病歴だけでもしっかり英語で話せるようにしておくほうが、スムーズでしょう。
こういったプロセスを現地語でやらなくてはいけない場合は、通訳の人をお願いする方が安心ですね。
費用について
オランダでは保険会社が展開する健康保険への加入が義務づけられています。契約できる保険会社はさまざまですが、年間の最低自己負担額というものが決まっており、385ユーロです。私が住んでいる過去5年間変わっていません。
そして、自己負担額は個人の希望によって最高885ユーロまで引き上げることができます。
月々の医療費は1万円前後が目安。
自己負担額が高いほど、毎月の医療費は安くなる。
自己負担額が低いほど、毎月の医療費は高くなる。
1月から起算する1年において、自己負担額に到達するまでは、自分で支払いをしなくてはいけません。しかし、自己負担額を超えた医療費は、支払いの必要がなくなります。もしくは、いったん自分で支払いますが、保険会社から返金されます。
実際、今回の私の妊娠出産の場合はどうだったかご紹介しましょう。
上記の費用を、385ユーロという自己負担額までは支払い、残りは請求すら来ませんでした。
ただし、血液検査は血液内のチェック項目数によって金額が上下します。ヘモグロビンも、血糖も、白血球数も・・・など検査項目が増えるほど金額は上がります。
ちなみにオランダの場合、検診した場所ですぐに支払いがあることはありません。加入の保険会社を通して、請求がありますので、後日払いが基本です。
その場で支払いを求められたら、怪しいと思ってください。
日本よりはるかに出産にかかる費用をおさえることができます。その上、自己負担額も5万円程度で済みました。
その代わり、妊娠中のエコーは2〜3回が基本です。ぐっと少なくて驚きます。検診数も検査項目も少なく、産後のケアすら少ないです。
オランダで育児情報を探す
オランダのたまごクラブ、ひよこクラブ、みたいな感じのウェブサイトを参考までに。
同名の雑誌もあるこちらのサイトも。
まとめ
私が実際に体験した妊娠10週頃の初診のことをお伝えしました。文化も、プロセスも違うので、戸惑うことは多かったです。
しかし、インターネットやSNS上に書かれていることはすべて鵜呑みにしないよう気をつけました。情報収集は大事ですが、それを元に自分でリサーチしたことを信じるようにしました。
妊娠初期は、ホルモンの変化から不安になる方、ひどい悪阻でつらい方、いると思います。できるだけ自分がゆっくり心穏やかでいられる方法を模索しましょう。